落とし込み、前打ち 2005年出筆、2012年加筆
.落し込みは魚の住家をダイレクトに探る釣り方です。
魚と竿先が一番短い釣り故アタリは明快、鋭い突っ込みが壮快です。

右図は落し込み釣りをイメージしています。竿は落し込み、前打ち専用竿、1.2〜5.3mと様々。太鼓リールに道糸2〜3号を100mほど巻けば充分でしょう。
ハリスは対象魚により変わりますが、1〜2号を1m前後付けます。道糸とハリスは直結もしくは極小スイベルで結びます。落し込みの仕掛けはいたってシンプルです。
浅場ではB〜3B程度のガン玉が主役になります。


   
※ロッド
基本的に竿先直下の釣りです。テトラの無い堤防なら短竿2m前後、テトラ上からは5m前後の竿が必要です。50〜100cmほど長さを変えられるズーム竿もあります。釣り場により竿の長さは必要充分を基準に慎重に選びましょう。穂先が鋭敏でパワーのある先調子の竿が主流です。長竿には穂先がらみが少ないUガイドが適しています。(写真左) このUガイドはかなり小さいため糸の結び目も通しません。仕掛けの重さのが軽いため微妙なアタリが出る敏感な穂先になります。穂先に出る微妙なアタリや糸ふけの変化を見て釣るため乱雑な竿捌きはアタリを逃します。
写真右は同じ4.5mの前打ち竿(上)と磯竿(下)を比較したものです。ガイドの形状の違いの他、竿の調子も変わります。前打ち竿は1-9調子(先調子)、磯竿は3-7調子といったところでしょう。
※リール
ポイントにより細かい糸の出し入れをするために太鼓リールが使い易いです。アルミ等の金属製、木製、樹脂製があります。この釣りではスピニングリールは使いづらくなります。
※仕掛け
針とガン玉のみが基本。深場で一気に底を探る時は1,2号の中通し錘なども使われます。通常はB〜3B程度。
道糸とハリスはチチワ連結の直結か極小スイベル(中央写真は自重0.03g耐強度3号ハリス)で繋ぎます。
夜釣りでは目印として推定のタナより若干上にケミホタル25を取り付けます。
錘の位置は針より少し上の場合が多いですが、餌の種類によっては針に直に打ったり針に結んだハリスのあまり糸に垂らすこともあります。
.錘(ガン玉)の役割
@ツケエを適度なスピードで沈める
自然なツケエの落下が魚に対して一番のアピールとなります。
A底を知る
着底したことが判る最低重量の錘が宜しいようです。

※釣り方.
@底を釣る
なんと言っても魚影の濃い底近辺の狙いが多くなります。針が底に付いたら軽く誘いを掛けることで魚にアピールします。
A中層を釣る
竿先直下で穂先を潮に乗せて水平に移動することにより中層にツケエを漂わせることが可能です。魚が餌をくわえた瞬間から竿先にアタリが出ます。この時点ではウキ釣りにはアタリが出ませんが、フカセは明確なアタリが出ます。
B落ちる過程を釣る
適度な重量のガン玉を使用することにより自然なツケエの落下が可能になります。
C竿一本分前を釣る
出した糸を前に振り込めば竿1本前を釣ることも可能ですが、落ちるほどにツケエは手前に寄ります。基本的には竿下の釣りです。
※※実際は@〜Cを複合した形で釣ることになります。
※タックルあれこれ

ハエ竿 5.3(改)オリムピック カーボン鳴門50 (改)
竿もリールもSAYORI風のサヨリストさんの作品です。かなり柔らかい竿でしょうね。
一般の前打ち竿とは釣趣が異なります。リールは穴空けにより軽量化されています。サミングもし易くなります。デザインがお洒落です。

          

私がメインに使っている竿はリョウビ製アジャスター浦千鳥プロタイプ-III FF43−53です。リールはFPR25改(これもサヨリストさんのお手製で、以前に記念で戴いたものです)、※後に見よう見まねで自作(下左)もしてみました。そして特筆するはフェラーリー製(下右)もあります。(ジョークです笑)
右-5本継ぎののべ竿1.8mに磯ガイド9個を付けました。仕舞寸法は40cmと超コンパクトです。テトラの穴釣り、低い堤防際の落し込みに使います。磯ガイド一個2,300円しますので竿の値段よりガイドの方が高くなってしまいました。


※当時こんな記事も書きました
ボート
からの黒鯛落し込み  2005.8.18

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 先日、貴重な体験をしました。ボートからの落し込み・・・・釣行リポートです。また〜お調子者がぁ〜!

船に乗るのは何十年ぶりでしょうか。関西で流行している釣りが関東にも!!
 さっそく行ってきました。
船は渡しの堤防を背に暫く進み工業地帯のパイプラインを支える橋脚へ。そして橋脚から4,5mまで近づきエンジンはアイドリング状態で位置をキープ、 足場が揺れるため仕掛けを振り込むタイミングが難しいのですが、直ぐ慣れました。際すれすれに振り込んで糸ふけの変化でアタリを取ります。 餌を橋脚にぶつけて落とす感じでも大丈夫です。とにかくギリギリを狙います。

とりあえず1m落としたら回収を繰り返す。活性が高いと見釣り状態になる位浮いてるようです。アタリが無いようなら2〜3m位まで探ります。 数投してアタリが無いか大きなバラシがあると隣のポイントに移動します。
掛けたら素早く竿を立て竿の溜めで橋脚から引き離します。特に50cm級の時は竿尻が魚の方向に向くぐらいに竿を立てないとのされます。

 タックルは54のズームに道糸2号、ハリス2号で挑みました。しかし、掛けて1秒で道糸切られが2回、道糸2.5号がお勧めです。 最初の一枚はストローで魚体の綺麗な40cmでした。まずは一安心。 でもハリスに根ずれの後がありました。掛けたら直ぐ竿を立て、橋脚から離さなければならず結構忙しい釣りでした。勝負は早く最大30秒程度ですね。 2枚目は餌をカラス貝に戻し49cm!!
コイツ尾が切れていて49cm、尾がちゃんとしてれば50cmでしたね、と船長さんに言われて苦笑い。カラス貝での釣果は初でした。 釣り始めてから2時間後、大きく移動、その後、47cm、41cmと釣れて計4枚とまずまずの釣果となりました。

 何しろ掛けてから捕れる率は3割とか。私は幸いにも7ヒット4ゲットと5割強でした。
餌はカラス貝で充分ですが、他の餌も少し持参すると面白いです。船上でハリを結ぶのは辛いのでハリ付きのハリスを4,5セット用意しておくと安心です。 少々船は揺れますが酔ってる暇はありません。(笑)

下図は掛けてからストラクチャーより剥がす・・・イメージです。 図では単純な垂直ケーソンを模していますが、実際の釣り場は大きく違います。 三角錐状のパイプ橋脚、垂直の円柱橋脚等、多彩なポイントの宝庫でした。つまり隙間だらけ...黒鯛が逃げ込み易い構造になっています。 写真をお見せできないのが残念です。再三お話した通り、いかに早く障害物から離すかがバラシを減らす重要なポイントのようです。

.参考までに錘の換算表 
落とし込み釣りの錘は
B〜3Bあたりが標準になります

          
※釣り場の様子
    
※最後に釣果写真です。 それでは良い釣りを!!
     

    

※前打ち黒鯛を始めて7年ほどになりますが、釣行回数が少ないとは言え延べ十数枚しか釣っておりません。
でもサイズは釣り場に恵まれて良型ばかりです。
今後も夏場の年数回の釣行になりそうですが、年1枚を目標にします。
尚、青文字部分が今回加筆(2012年)したもので、大部分は2005年に書いたものです。