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プロパティ名 設定値 対象コントロール
定型入力 InputMask 文字列式 Text,Combo


InputMask/定型入力 プロパティ
データの入力を簡単にしたり、テキスト ボックス コントロールにユーザーが入力できる値を制限したりします。たとえば、[電話番号] フィールドに定型入力を作成すると、電話番号の入力方法を (___) ___-____ のように正確に示すことができます。多くの場合、定型入力ウィザードを使用すると、プロパティを簡単に設定できます。

設定値には、セミコロン (;) で区切って 1 〜 3 つのセクションを使用できます。
セクション 説明
1 定型入力自体を指定します。たとえば、!(999) 999-9999。
2 データを入力したときに、リテラル表示文字がテーブルに保存されるようにするかどうかを指定します。0 を指定すると、値と共にすべてのリテラル表示文字 (たとえば、電話番号定型入力に使用するかっこなど) が保存されます。1 を指定するか、または何も指定しないと、コントロールに入力した文字だけが保存されます。
3 定型入力書式に含まれるスペースを示すための文字を指定します。どの文字も指定できます。空文字列を表示するには、スペースをダブル クォーテーションで囲んで (" ") 指定します。

文字 説明 省略
0 0 〜 9 の半角数字 プラス記号 (+) やマイナス記号 (-) は入力できません。 -
9 0 〜 9 の半角数字または半角スペース プラス記号 (+) やマイナス記号 (-) は入力できません。 -
L A 〜 Z の半角文字と全角文字 不可
? A 〜 Z の半角文字と全角文字
# "#" の位置には、半角数字、半角スペース、半角のプラス記号 (+)、半角のマイナス記号 (-) を入力することができます。スペースは、編集モードでは空白として表示されますが、データを保存するときは削除されます。プラス記号とマイナス記号を入力できます。いずれも入力を省略することができます。入力を省略した場合は、半角スペースが入力されます。
A、a A 〜 Z の半角文字と全角文字または 0 〜 9 の半角数字と全角数字 A不可
a可
& "&" の位置には、すべての全半角文字 不可
C "C" の位置には、すべての全半角文字
H、h いずれも、ひらがな、全角数字、全角記号 H不可
h可
K、k いずれも、全角カタカナ、全角数字、全角記号 K不可
k可
S、s いずれも、半角カタカナ、半角数字、半角記号 S不可
s可
. , : ; - / . , : ; - / それぞれ、小数点のプレースホルダ、また桁、日付、および時刻の区切り記号を示します。小数点や区切り記号として実際に使われる文字は、Windows のコントロール パネルの [地域のプロパティ] ダイアログ ボックスの設定によって異なります。 -
< 小文字に変換(アルファベットのみ) -
> 大文字に変換されます(アルファベットのみ) -
! 定型入力の左側の文字が省略可能な場合に、文字は左から右ではなく、右から左に表示されます。定型入力に入力された文字は、常に左から右に埋められます。感嘆符は、定型入力の中の任意の位置に指定できます。 -
\ 後ろに続く文字をリテラル文字列として表示します。たとえば、文字の A そのものを表示させるには、「\A」と指定します。 -

Visual Basic でこのプロパティを設定するには、文字列式を使用します。たとえば、次の使用例では、電話番号を入力するために使用されるテキスト ボックス コントロールの定型入力を指定しています。
Forms!得意先!電話番号.InputMask = "(###)###-####"
定型入力には、特定の文字を使用して、入力を省略できないデータ (たとえば電話番号の市外局番) や、任意に入力するデータ (たとえば内線番号) を指定できます。特定の文字とは、定型入力の各文字に対して入力するデータの種類、たとえば数値や文字を指定します。
定型入力を指定するには、次の文字を使用します。これらの文字のうち、"@" の付いているものは、全角文字の日本語に関する定型入力を指定します。これらの文字が指定されている部分を入力するときには、自動的に IME がオンになります。また、入力する文字の種類が限定されている場合は、入力モードも自動的に切り替わります。

InputMask/定型入力 プロパティの設定値として "Password" という単語を指定すると、パスワード入力用のコントロールが作成されます。コントロールに入力した文字は、そのとおりの文字として保存されますが、アスタリスク (*) で表示されます。パスワード定型入力を使用すると、入力した文字が画面に表示されないようにできます。
コントロールの InputMask/定型入力 プロパティは、コントロールのプロパティ シートで設定できます。テーブルのフィールドの InputMask/定型入力 プロパティは、テーブルのデザイン ビュー (のフィールド プロパティ セクション) またはクエリ ウィンドウのデザイン ビュー (のフィールド プロパティのプロパティ シート) で設定できます。
いずれの場合もマクロまたは Visual Basic でも設定できます。
解説
定型入力が定義されているフィールドにデータを入力すると、データは常に上書きモードで入力されます。BackSpace キーを使用して文字を削除すると、文字は空白に置き換えられます。
定型入力が定義されているフィールドからクリップボードにテキストを移動すると、リテラル文字列がデータと共に保存されるように指定していない場合でも、リテラル文字列はコピーされます。
定型入力が適用されるのは、コントロールまたはコンボ ボックスに文字を直接入力した場合だけです。データをインポートするとき、アクション クエリを実行するとき、あるいは Visual Basic を使用して、コントロールの Text プロパティ プロパティを設定するか、または SetValue/値の代入 アクションを使用してマクロで文字を入力するときには、定型入力は無視されます。
定型入力を定義したフィールドに対して、"Format/書式" プロパティを設定した場合、データを表示するときには Format/書式 プロパティの方が優先します。つまり、定型入力をデータと共に保存しても、データの書式を指定していると表示するときには、定型入力は無視されます。この場合、基になるテーブルのデータが変更されるわけではなく、データの表示方法だけが変更されます。
(MS Access Help より抜粋)